地球全体で、大規模な気候の変動が起きています。

異常気象は日本列島だけで起きている現象ではなく、欧米諸国やアジア諸国でも、一昔前になかった気候変動の影響が現れています。気候変動の原因は諸説あり、一つに原因を特定する事は困難です。ただ日本国内では、一年を通して外気温が大幅に上がり始めました。今でも四季は健在ですが、全体に高温多湿な気候が増えており、農業や漁業に携わる人々は深刻な影響を受けています。

海水温度や田畑の温度が僅かに上がるだけでも、生産者にとっては働き方を左右される、大きなリスクです。収穫した農作物や水揚げされた海産物は、その後、倉庫などで保管されます。温度管理は食の安全に直結するポイントであり、高温多湿な環境下に置かれた食品はあっという間に経年変化します。夏以外でも、真夏日や熱帯夜が頻発する昨今、今まで通りの温度管理の方法では、食の安全が充分に守られません。

新しい温度管理の仕組みを導入したり、現場スタッフの認識を改めたり、農作物や海産物の保存場所を変える等、抜本的な気候変動対策が求められます。農作物や海産物は鮮度が命であり、たとえ品質的には問題がない水準でも、例えば緑黄色野菜が潤いを失っていたり、鮮魚類の表面が黒く変色していれば、市場での人気が落ち込みます。一般消費者の目はどんどん厳しくなっており、温度管理を環境や時代に合わせて、大幅に刷新する事が漁業関係者や市場の責任者などに求められています。